2015年9月16日水曜日

『日本人のための第1次世界大戦史』第13回「兵器産業の国際化」


週刊エコノミスト連載『日本人のための第1次世界大戦史』は第13回「兵器産業の国際化」

職人芸で製作されていた銃器が、アメリカ発のフライス盤でオートメーションでパーツ毎に製作されるようになりました。万国博覧会第1回は1851年のロンドンです。数多くの兵器が産業機械に混じって展示されました。その後も万博はアームストロング社やヴィッカース社、ドイツのクルップ社など兵器産業にとって重要な商談の場となりました。

日本は何故戦艦三笠(1898年発注)のような当時世界最新鋭の戦艦を買うことができたのか?という設問で日英同盟(1902年)があったからとか、頓珍漢な答えが見受けられますが、ひとつにはイギリス海軍が一時期兵器の発注を官営のウリッジ工廠だけに絞って、民間企業は自力で市場を開拓していった経緯があったからです。あまりに高性能な巡洋艦を外国に販売して問題となったこともありましたが、政府にそれを止める力はありませんでした。もちろん第1次世界大戦が近づくにつれてそうした自由は制限されていきますが。

銃や大砲の砲身内のライフリング。アメリカンフットボールのボールは回転することによって飛距離を稼ぎ正確性を保てているわけですが、大砲の弾も同じことです。ライフリングによって椎の実型の砲弾に回転をかけて発射できるようになりました。これは銃も同じです。ライフリングの写真ですが、本連載ではwikiの画像は使用しないで、自力で発掘すると決めていたのですが、この写真はあまりにも素晴らしいので、メールを送って使用させていただきました。返事はきていませんが。日本人の方で世界中のライフリングのページで使用されています。

wiki ライフリングより


参考図書ですが、『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』田所昌幸編、有斐閣、2006年、『世界戦艦物語』福井静夫、光人社、2009年版、マイケル・ハワードなどのいつもの常連、そしてウィリアム・マンチェスターの『クルップの歴史』上下、フジ出版社。これは入手困難本ですが非常に面白かった。また国立国会図書館の博覧会のページは楽しめますよ。

http://www.ndl.go.jp/exposition/s2/10.html


来週14回はフランス海軍の新戦略ジュヌ・エコールとイギリス海軍の危機についてです。いよいよ戦争の影が見えてきます。


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