2016年2月17日水曜日

SP500とドル円による推定日経平均


エクセルの統計関数がパンパンと思い出せなくなっていたので、トレーニング代わりにSP500とドル円の重回帰分析による日経平均の推計値を計算してみた。計算上は本日の日経は15600円で、400円から500円の誤差はグラフを見てもわかるようによくあること。(今16000円で推移)


実はこのやり方はこうした日経平均のピンポイントの予測には向くわけもないが、中長期のシナリオ予測ではシナリオの矛盾をあぶりだすことができる。例えばドル円と日経平均の関係の中で、為替予想が横這いなのに、PERの拡大によって日経平均2万円を予測する人がいたとしたらシナリオの蓋然性は低い。どうして為替が横ばいの中でそうしたことが起こるのかの説明を注視しなければいけない。

こうした手法は1990年代初頭にウォール街で流行した。拙著『金融の世界史』にも顛末を書こうかと思ったのだけれど、あまりに専門性が高いのでやめた経緯がある。当時はリーマン・ブラザース・アメリカン・エクスプレスのエレイン・ガザレリやブルーデンシャル・ベーチェのメリッサ・ブラウン、ゴールドマン・サックスのアビー・コーエン(何故か女性ばかり)などが主導して、IPや自動車販売台数、マネーサプライ、金利など、様々な経済指標やそれ以外の社会現象なども数値化して回帰分析を行って株式の水準を予測した。ちょうどコンピュスタッドの財務データベースと、データストリームのマクロ指標がPCで使用できるようになった頃で、エクセルのマクロ関数の進化とともに誰でも結構お手軽に分析できるようになっていた。但しインターネットじゃなくて、直通回線かフロッピー・ベース。

しかしこれも結局テクニカルと同様に占いみたいなもんだと思われるようになって、廃れていった。それに誰にでもできるようになったというのもある。ゴールドマンのアビー・コーエンは元々しっかりとしていて占い師的要素が少なく、シナリオ作成に有効利用してストーリー・テラーのストラテジストとして大成功をおさめたわけだ。

90年にNYから東京に出張して、日興証券の株式部で若手社員を集めてこの話をした。長期金利、ドル円、M2変化率(マネーサプライ)の3つで簡単なモデルを作って日経平均を予測したら、予測値は16000円。半分になるという予測だった。

皆が大笑いする中で「お前は昔から小難しい事を言う割に馬鹿じゃないかと疑っていたんだが、本当に馬鹿だったんだな」と可愛がってくれていた某役員にいわれて、僕は「でへへへへ」と媚びるように頭をかいた。もちろん僕も信じてはいなかった。

楽器演奏やランニングと一緒で、エクセルはやっていないと再開するのが大変だ。

ご存知だと思うけれど、金融市場の統計処理の手法も随分と進化して、今の日本では大和證券の吉野さん(高校の後輩)が実践的で面白い分析をたくさんしていて大人気ですよ。




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