2016年11月25日金曜日

トランプ相場の実相



米国株式はトランプ当選を予見していた。
トランプ相場はドル建て日経平均に注意

フジサンケイ・ビジネスアイ 【高論卓説】 2016/11/25

■日本株、世界基軸通貨のドル建ては低調

 注目されていた米国大統領選挙は大方の予想を裏切り、僅差ながらもトランプ氏の勝利に終わった。しかし事後講釈になるが、ニューヨーク(NY)ダウなど米国株式の動向をみると、株式市場は当選結果を先取りして、すでに開票日前に上昇し始めていたことがわかる。

 トランプ氏の主張は「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン」とカタカナ英語でも理解できるほど単純だ。だがその一方で次にくるスローガンは「アメリカ・ファースト」で、これは世界に施しをする前にアメリカ人に利益をという意味で保護貿易を意味する。

 選挙運動中は構造的な不況業種で働く白人労働者層を意識して、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を否定し、メキシコや日本、中国を、不平等な貿易で得をしている国として名指しで攻撃していたように、トランプ氏といえば反自由貿易主義者だった。保護主義は世界経済の成長を損なうというのが今日の常識である。株式市場の大勢はこうした長期的な弱気材料を懸念していたのだ。

 そもそも世界市場を支配する先端企業アップル、マイクロソフト、FANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)などがアメリカ発の企業であるように、おいしい産業は全てアメリカである。低賃金の産業は海外に出して高付加価値の産業を取り込む。実は最も自由貿易の恩恵に浴してきたのはアメリカのはずなのである。

ではなぜ株式はトランプ大統領就任を祝うかのように上昇しているのだろうか。具体像も見えにくい長期的な懸念材料に対して、トランプ氏には目先に現実的な政策があった。例えば減税政策である。法人税の減税、所得税の見直しによる高額所得者への減税、相続税の廃止などで、白人労働者というトランプ氏本来の主要支持層ではなく富裕層向けの政策だが、株式市場全体には大きな支援材料である。また業種別にみると公共投資や製造業回帰によって工業株の復活が見込めそうだ。そして目立たないが、「ドッド・フランク法」廃止など銀行業規制に対する規制緩和が予想されるために銀行株が上昇して市場を牽引(けんいん)したのである。



 グラフは11月1日の価格を100として各指標を比較しやすいように指数化したものである。NYダウ(工業株指数)は、主に工業株と銀行株など30種で構成されている。SP500種は、ほぼ時価総額順に銘柄選択されている。両者の差はトランプ相場の初期は工業株と銀行株が相場をリードしたことを示している。

 トランプ相場はもう一つの側面を持っている。民主党的、共和党的なものの両者のいいとこ取りをした公共投資と大減税という本来なら相反する政策が予想されることである。選挙前から、米連邦準備制度理事会(FRB)による12月の利上げが予想されるような金利環境の中で、この2つの政策はどちらもインフレ要因であり財政規律を乱すと解釈され、長期債を下落させて長期金利を上昇させている。

このためドルの魅力が増して、投資資金が新興国から米国に戻り、ドル高を演出しているのである。ドル高は円安をも意味するので、日本株にも有利に働く。かくして日本株も米国株に劣らずに大盛況となっている。しかしそれは内向きの円建ての日経平均株価の話であって、グローバル投資の観点で見た場合のドル建て日経平均では、実は下落していることに注意が必要だ。ドル高の間、日本株も上がるが実はアメリカ・ファーストなのである。

板谷敏彦

2016年11月16日水曜日

早稲田大学社会人向け講座でお話します。


早稲田大学の社会人向け講座で、世界から見た日露戦争というテーマでお話します。全4回、2月からです。場所は中野です。

クリックすれば早稲田のサイトを見れます。

機会があれば是非。



2016年11月4日金曜日

FROGGY:お金の常識をカエル


証券関係者から、「お前何者?」と聞かれたら、今でも元日興と答える自分がいます。

わたくしの古巣。SMBC日興証券のWEBサイト「FROGGY:お金の常識をカエル」からお呼びがかかったので。これは喜んで引き受けました。





インタヴュー形式ですが、先のインベスターZ副読本とはインタヴュアーも別です。質問者の視点がちょっと違います。