2016年12月13日火曜日

週刊エコノミスト連載「日本人のための第1次世界大戦史」


週刊エコノミスト連載「日本人のための第1次世界大戦史」、12月20日号は連載75回目の最終回「日本は何を学んだのか?」です。

第2次世界大戦における日本の商船の船乗り(海員)の死亡率は実に43%。主力艦隊がほぼ全滅し、生還を期さない特攻攻撃を繰り返した帝国海軍の死亡率ですら16%ですから、その常軌を逸した数値レベルはわかりやすいかと思います。

第1次世界大戦では、英国海軍によるドイツの経済封鎖が連合国勝利の重要な要因のひとつにあげられます。一方でドイツのUボートによるシーレーン攻撃は、連合国側を敗戦一歩手前まで押しやりました。シーレーンの確保という大きな教訓を得ながらも、何故日本帝国海軍は第2次世界大戦においてこれをほぼ無視したのでしょうか?

第2次世界大戦後の海軍参謀による「海軍反省会」の録音テープでは、第1次世界大戦中や直後には、シーレーンに関するレポートが良く出回っていたけれど、次第にみかけなくなってしまったという発言がありました。「事実」が少しずつ自分たちの組織に都合がよいように曲げられていったのでしょう。

輸送船よりも戦艦・空母を狙えという帝国海軍の組織としての考え方は、海軍の戦功査定基準に明確に表れています。輸送船をいくら沈めても出世はできません。防御は攻撃の裏返し、味方の民間船舶の護衛は軽視されました。それが致命傷になったという第1次世界大戦の壮大な戦史がありながらです。

1年半、3000字x75回=225,000字、今後、製本化にむけて書き直しをすすめていきたいと思います。長い間のご愛読ありがとうございました。

板谷敏彦

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