2017年9月11日月曜日

映画『ダンケルク』


注目のクリストファー・ノーラン作品「ダンケルク」見てきました。金返せとは決して言わないし、もう一度見るかもしれないくらい良い作品だけれど、前評判が高すぎて、ちょっとがっかり。

がっかり1。 実写にこだわったのは理解できるが、30万人を撤退させた作戦規模がうまく描けていなかった。兵士からの視点にこだわったからだとは理解できるが、驚くぐらいの海を埋め尽くす小舟とそれにむかう兵士、沖の輸送船や駆逐艦の画像が欲しかった。実際には撤退兵の80%が輸送船と駆逐艦で運ばれてる。

がっかり2。座礁した小舟の再浮上待ちのシーンでは、射撃で船体に空いた穴を埋めろと指示する。射撃でできた穴は位置が集中しているから穴埋め作業をする者は被弾するのは確実。こうした合理性を欠くシーンはたとえ実話でもストーリー全体の信憑性を失いかねない。この後も水が流入してきて、船長に「浮くかね?」と聞くのはほとんど馬鹿げている。浮くためには流入量以上の排水が必要だからだ。おみかけしたところバケツぐらいじゃもう無理だった。僕の個人的な問題でもあるけれど、こういうシーンを続けられるともう「たまらん」。

反対に凄いと思ったのは。

凄い1。撮影、特に戦闘機のコクピット内。

凄い2。音響。特に前半はエンジン音へのこだわりが凄い。病院船と掃海艇の蒸気レシプロ・エンジン、小型舶用ディーゼル、メッサーシュミットのダイムラー・ベンツDB601、スピットファイアのロールスロイス・マーリンエンジン。こうした音をあたかも人間の心臓の心拍音のように効果的に使っている。

「いや、凄いこだわりだな」

と思ったら、マーク・ライランスに「ロールス・ロイスの音は最高だ」と語らせているのは、作者の「見落とさないでね、苦労したんだから」というメッセージか?

というわけでアカデミー作品賞はないと思う。音響効果とか撮影賞じゃないかなと思う

それとコレを見たあとのお薦めは『空軍大戦略:バトル オブ ブリテン』(1969年)まさにダンケルクの後から始まります。実写がどうだこうだというなら、こちらはハインケルの編隊も含めて全部本物。スペイン空軍のメッサーとハインケルが引退した時に廃棄前に撮影したもの。




https://youtu.be/kvDxVFU5Vi4


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